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学部2012年度(一橋大学)学部後期ゼミナールシラバス
■ゼミの研究分野・領域、研究テーマなど
政治学、現代日本政治論、日本政治外交史
■ゼミの概要(内容・運営・特色など)
このゼミの目的は、参加者が現代の日本政治を政局的な見方ではなく、歴史や比較など幅広い視野から捉えられるようになることです。現在の日本政治を歴史的なアプローチから読み解く、あるいは戦後日本政治の歴史的展開を現在の視点から考察する。そして、比較政治や経済・社会に関する文献も参照しながら、日本政治を多角的かつ構造的に理解することを目指します。
今年度のテーマは、「デモクラシー(民主政治)の多角的考察」です。日本では2009年、本格的な政権交代が行われました。しかし、その後、政治への期待は急速に後退しています。このような時期だからこそ、改めて政治を広い視野から捉え直すことが必要ではないでしょうか。そこで、中長期的な歴史やヨーロッパ諸国などとの比較を踏まえつつ、市民の政治参加、地方自治、マスメディアと政治、ジェンダーと政治、科学技術・環境問題と政治、国民国家の揺らぎとグローバル・デモクラシーなど、多様な視点から日本政治の分析を試みたいと思います。
毎週のゼミは、3年生と4年生の合同で、火曜日の4・5時限に実施します。文献講読が中心ですが、たんに知識を摂取するだけでなく、批判的に読み込み、討論を行います。時にはゲスト・スピーカーを招いて、話を聞き、意見交換をします。そうして参加者が自らの考えを深め、4年次に執筆する卒業論文のテーマを見出していきます。卒業論文の内容は政治に関わる限り幅広く認めますが、 3年生の冬学期に準備的なレポートをまとめてもらいます。また、夏休みの合宿や三商大ゼミなどを行い、それらを通じて他大学と交流する予定です。
ゼミは学問の共同体であり、それを構成する全員で作り上げていくものです。多様な学生が集いながらも一体感を有し、討論を通じて切磋琢磨するゼミを目指したいと思います。新聞に毎日目を通すなど広く社会に関心を持ち、将来に向け社会科学的な思考方法を身につけたいという学生、そして何よりも積極的にゼミの諸活動に参加する意欲を持つ学生を歓迎します。
■使用するテキストなど
ゼミ生の関心を聞いた上で最終的に決定しますが、例えば以下の文献が候補として挙げられます。
・篠原一『市民の政治学』岩波新書、2004年。
・杉田敦『デモクラシーの論じ方』ちくま新書、2006年。
・曽我謙悟・待鳥聡史『日本の地方政治』名古屋大学出版会、2007年。
・大嶽秀夫『20世紀アメリカン・システムとジェンダー秩序』岩波書店、2011年。
・道場親信『占領と平和』青土社、2005年。
■卒業論文タイトル事例
■選考方法、学生への要望・注意、など
ゼミへの参加を希望する、あるいは検討している学生は、オープン・ゼミに出席したり、事前に電子メールで予約をとって面談したりすることで、自分の関心に合致しているかどうか確認してください。最終的な選考は、面接によって行います。志望理由や自己紹介を1200字程度でまとめ、面接の前日までに電子メールで送信してください。
■相談日など
■オープン・ゼミの実施予定など
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