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学部2013年度(一橋大学)学部後期ゼミナールシラバス
■ゼミの研究分野・領域、研究テーマなど
政治学、現代日本政治論、日本政治外交史
■ゼミの概要(内容・運営・特色など)
このゼミの目標は、参加者が現代の日本政治を政局的な見方ではなく、制度・歴史・比較などを手掛かりとして、多角的かつ構造的に捉えられるようになることです。
今年度のテーマは、「変容する日本のデモクラシー」です。日本では2009年、自民党から民主党に本格的な政権交代が行われましたが、マニフェストの重点政策の多くを実現できず、失敗に終わりました。二大政党離れ、相次ぐ新党の結成、無党派層の増大、支持率の乱高下、ねじれ国会など、日本政治は混迷しています。中長期的な歴史やヨーロッパ諸国などとの比較を踏まえつつ、選挙制度、政治資金制度、政治家のリクルート、政党組織、政党システム、政治家と官僚の関係、政党と社会団体の関係、有権者の意識、市民の政治参加、マスメディアの役割など、多様な視点から分析を試たいと思います。
毎週のゼミは、3年生と4年生の合同で、火曜日の4・5時限に実施します。文献講読が中心ですが、たんに知識を摂取するだけでなく、批判的に読み込み、討論を行います。時にはゲスト・スピーカーを招いて、話を聞き、意見交換をします。そうして参加者が自らの考えを深め、4年次に執筆する卒業論文のテーマを見出していきます。卒業論文の内容は政治に関わる限り幅広く認めますが、 3年生の冬学期に準備的なレポートをまとめてもらいます。また、夏休みの合宿や三商ゼミなどを行い、それらを通じて他大学と交流する予定です。
ゼミは学問の共同体であり、それを構成する全員で作り上げていくものです。多様な学生が集いながらも一体感を有し、討論を通じて切磋琢磨するゼミを目指したいと思います。新聞に毎日目を通すなど広く社会に関心を持ち、将来に向け社会科学的な思考方法を身につけたいという学生、そして何よりも積極的にゼミの諸活動に参加する意欲を持つ学生を歓迎します。
■使用するテキストなど
ゼミ生の関心を聞いた上で最終的に決定しますが、例えば以下の文献が候補として挙げられます。
・竹中治堅『首相支配』中公新書、2006年。
・飯尾潤『日本の統治構造』中公新書、2007年。
・大山礼子『日本の国会』岩波新書、2011年。
・待鳥聡史『首相政治の制度分析』千倉書房、2012年。
・小林良彰『政権交代』中公新書、2012年。
・中北浩爾『現代日本の政党デモクラシー』岩波新書、2012年。
・レイプハルト『民主主義対民主主義』勁草書房、2005年。
■卒業論文タイトル事例
■選考方法、学生への要望・注意、など
ゼミへの参加を希望する、あるいは検討している学生は、オープン・ゼミに出席したり、事前に電子メールで予約をとって面談したりすることで、自分の関心に合致しているかどうか確認してください。遠慮は無用です。最終的な選考は、面接によって行います。志望理由と自己紹介を1200〜1600字でまとめ、面接の前日までに電子メールの添付ファイルで送信してください。
■相談日など
■オープン・ゼミの実施予定など
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