学部2021年度(一橋大学)社会研究入門ゼミナール
■授業概要
現在、自由主義的民主主義(リベラル・デモクラシー)が問い直されています。それに対する代表的な挑戦が、ポピュリズムです。このゼミでは、民主主義とポピュリズムに関する代表的な本を三冊講読し、理解を深めていきます。それを通じて政治学の基礎的な概念を使いこなせるようになり、日本政治をはじめ現在の先進各国の政治を分析する視角を身に着けていきます。
■学部・学年の指定
学部1、2年生
■授業の内容・計画
人数にもよりますが、以下のように考えています。毎回、報告者と討論者を決めます。報告者は内容の簡単な要約を、討論者は重要な論点について著者に異議を申し立てる報告をしていただきます。それ以外の参加者には、簡単なコメントカードを書いてもらう予定です。初回はオリエンテーションを行い、担当者などを決めますので、特に準備は不要です。
1.オリエンテーション
2.『代議制民主主義』序章+1章
3.『代議制民主主義』2章
4.『代議制民主主義』3章
5.『代議制民主主義』4章+終章
6.『ポピュリズムとは何か』1章+2章
7.『ポピュリズムとは何か』3章
8.『ポピュリズムとは何か』4章+5章
9.『ポピュリズムとは何か』6章+7章
10.『政治はなぜ嫌われるのか』1章
11.『政治はなぜ嫌われるのか』2章
12.『政治はなぜ嫌われるのか』3章
13.『政治はなぜ嫌われるのか』4章+5章
14.まとめ
■テキスト・参考文献
・待鳥聡史『代議制民主主義―「民意」と「政治家」を問い直す』中公新書、2015年。
・コリン・ヘイ(吉田徹訳)『政治はなぜ嫌われるのか―民主主義の取り戻し方』岩波書店、2012年。
・水島治郎『ポピュリズムとは何か―民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書、2016年。
■他の授業科目との関連
政治学関係の授業と緊密な関係があります。
■成績評価の方法
出席状況、報告者・討論者としての報告内容、コメントカードの内容、討論への参加を総合的に評価します。毎回出席を原則としますが、3回以上の欠席は不可とします。
■受講生に対するメッセージ
政治に関する学びは、大学だけでは完結しません。日々、新聞を読むなど情報に接すること、選挙などの機会に各政党の主張について調べたり、何が日本政治が取り組むべき課題なのかを考えたりすることなどが、とても大切だと思います。ただ、大学で勉強すると、日々の政治の捉え方が変わってくると考えています。私の3・4年ゼミでは年数回、国会や政党・各種団体を訪問し、政治家やジャーナリストなどとディスカッションする機会を設けていて、とても有意義です。参加者の都合があう場合には、そこに加わっていただくことも検討したいと思います。
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